臨床工学科では高気圧酸素治療とME機器の保守点検を行っています。

高気圧酸素治療とは、大気圧よりも高い気圧環境を人工的に作り、その中で高濃度の酸素を吸入させて種々の原因で発生した全身的または局所的な低酸素症を改善する治療で、赤血球のヘモグロビンに結合する酸素を増やす通常の酸素療法に対し、血漿に溶け込む酸素を増やす特殊な酸素療法です。

当院の治療対象疾患は主に、急性脳血管障害、脳塞栓、重症頭部外傷、開頭手術後の急性脳浮腫、脊髄障害です。一人用第一種治療装置4基を設置し治療にあたっています。治療時間は80分、治療圧力は2気圧、治療回数は1日1回で10~14回行います。この治療では、血液中の酸素を増やし、低酸素状態に陥っている脳の組織に酸素をたくさん運び、脳の腫れの改善又は予防、脳梗塞の広がりを抑えることを目的としています。